地質調査技士
地質調査技士資格の検定試験、登録更新など
地質調査技士とは
地質調査技士資格の設立背景
一般社団法人全国地質調査業協会連合会(以下「全地連」という。)では昭和41年、ボーリング等地質調査の現場作業に従事する技術者を対象に「地質調査技士資格検定試験制度」を発足させ、これまでに約21,000名(登録継続中の資格者は約13,000名)の資格者を輩出してきました。
地質調査の現場作業は、現場で取得した地盤情報がその後の地盤に関する解析判定業務の基礎情報となるものであり、この段階での技術的信頼が地質調査業務の根幹をなすものといえます。そこで全地連では、現場技術者の技術の維持・向上、人格の陶冶を目的に本試験制度を発足し、約50年にわたり制度を運営してまいりました。
本試験制度の発足以降では、昭和52年に施行された「地質調査業者登録規程」で規定された営業所毎に置く現場管理者に対応させるため試験内容の見直しを図り、また、昭和59年には本試験制度が建設大臣認定(この認定は平成13年3月に廃止されています。)となったのを機に登録更新制を導入する等の改正を行いました。
本試験制度は、試錐技術者(ボーリング技術者)のための試験というスタンスで運営してきましたが、地質調査業を取り巻く環境の変化などもあり、受験者は必ずしも試錐技術者だけではなく、地質調査及び関連分野の技術者が受験するかなり幅広いものとなってきました。
また、近年では、地震災害や豪雨災害、インフラの維持管理問題などが発生し、社会資本整備の在り方が見直されるなどにより、地質調査業は防災分野や維持管理分野、環境分野など新たな分野への展開が求められるようになってきました。
全地連ではこのような状況を踏まえ、本試験制度の見直しを随時はかり、発注者が求める技術者資格、市場にマッチした技術者資格という視点から、本試験制度の受験部門制を導入するなどの見直しを図ってまいりました。
地質調査技士の技能・能力(役割)
本試験制度では、3つの受験部門それぞれに共通して次の事項に関する技能・能力をはかり、試験合格者に資格の称号を与えています。
〈各受験部門共通の技能・能力(役割)〉
・積算
・調査計画
・ボーリングマシン運転の基本動作
・現場の工程管理や安全管理
・土質判定・柱状図、断面図作成
・報告書とりまとめ
・成果品の品質管理
・ボーリング調査の業務責任者としての役割
・ボーリング調査の業務責任者や現場管理者としての役割
・「ボーリング責任者」としての役割
各受験部門においては、上記の技能・能力のほかに、ボーリングマシン操作に係る特殊技能(現場調査部門)や解析・分析能力(現場技術・管理部門)、土壌地下水汚染に係る専門能力(土壌・地下水汚染部門)をはかり、試験を実施しております。
地質調査技士資格制度の変遷
昭和41年「地質調査技士資格検定試験制度」発足
昭和52年旧建設省は「地質調査業者登録規程」における現場管理者の資格要件として本資格を指定
昭和59年建設大臣認定を受ける(平成13年、閣議決定により廃止)
平成15年部門制の導入(「現場調査部門」、「現場技術・管理部門」)
平成16年部門制の追加導入(「土壌・地下水汚染部門」)
平成19年国土交通省は地質調査業務共通仕様書における主任技術者の資格要件として本資格を指定(業務内容により追加)
平成27年「現場調査部門」および「現場技術・管理部門」の中で設けていた試験コース制を統一化
国土交通省 技術者資格登録規定による登録(「現場調査部門」など3部門すべて登録)
平成30年「現場技術・管理部門」、「土壌・地下水汚染部門」の受験資格見直し
地質調査技士の活動フィールド
建設を目的とした調査業務、地震・地すべり・火山など自然災害を対象とした防災業務、急傾斜地等の崩壊防止施設や道路・トンネル設備など施設・設備の点検診断を行う維持管理業務、土壌・地下水汚染の状況把握や対策検討を行う環境業務、地中熱・地熱や地下水を対象とした資源業務など、多岐にわたっています。
国土交通省は、平成26年度改正の品確法を踏まえて、公共工事の品質確保を目的とした技術者資格登録制度を開始し、平成27年度には地質調査技士資格の3部門すべてが登録技術者資格として登録されました。登録された技術者資格は、国や地方公共団体等が発注する業務において、登録技術者資格保有者の配置を入札参加資格として求めることや、総合評価落札方式において評価対象とする等の措置を通じて活用が進められていく予定です。
地質調査技士は、活動フィールドが広がるとともに、寄せられる期待も一層高まってきているといえます。
地質技術者の皆さまが地質調査技士資格を取得し、第一線でご活躍されることを願っております。
資格紹介パンフレット
パンフレット1(地質調査技士の紹介)
パンフレット2(全地連資格制度の紹介)
検定試験
資格検定試験のスケジュール目安や費用など
検定試験の申込みに関する詳細や次回実施予定はこちら
資格検定試験は毎年7月に実施します。以下実施スケジュールの目安などをご確認ください。
願書受付:4月上旬〜5月上旬(約1カ月間)
試験日 :7月 第2土曜日
合格発表:9月上旬
試験地 :全国10会場(札幌、仙台、新潟、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄)
受験料 :18,480円 [税込] ※R4.3月現在
その他 :
(1)受験願書の配布
受験願書や受験手引きは、願書受付開始日にホームページに掲載します。
(2)事前講習会の開催
試験対策用の講習会は、全国10地区の地区協会にて6月に開催します。
(3)資格登録手数料
13,200円 [税込] ※R4.3月現在 新規登録時に左記手数料が発生します。
(4)検定試験 よくある問合せ
受験資格や受験願書の作成方法などに関するお問合せは、「よくある問い合わせ FAQ 」をご確認ください。
受験資格
地質調査技士には2つの部門があります。各部門の受験資格は以下の通りです。
現場調査部門の受験資格
1)ボーリングに関する機器等の操作を行う実務に関して、5年以上の経歴を有する者。
2)指定の専門学校指定学科を卒業(同校より「地質調査技士資格認定証」を授与)し、かつ、ボーリングに関する機器等の操作を行う実務に関して2年以上の実務経歴を有する者。
現場技術・管理部門の受験資格
地質調査を目的とした調査・計測業務、現場技術管理業務等に関して、下表に示す実務経歴を有する者。
学歴-専攻内容別 必要な実務経験年数
専攻内容 学歴 | ①:専門課程※ を 専攻し卒業した方 | ②:左記以外の理工系 過程を専攻し卒業した方 | ③:左記①②以外の方 |
|
大学 高等専門学校(専攻科) 専修学校(高度専門士) | 学士 | 3年 | 5年 | 6年 |
短期大学 高等専門学校 専修学校(専門士) | 短大士 準学士 | 5年 | 7年 | 8年 |
高等学校、その他 | 8年 |
※《専門課程の主な内容》:土木工学(農業・森林・海洋の土木を含む)、建築学、鉱山学、砂防学、地山学、地学、地質工学、岩石学、鉱物学、層序学等に関する課程
検定試験の過去問題や受験手引きなど
令和6年度
・受験手引き
・解答
試験問題
・現場調査部門
・現場技術・管理部門
答案用紙
・現場調査部門(マークシート /記述式 )
・現場技術・管理部門(マークシート /記述式 )
令和5年度
・受験手引き
・解答
試験問題
・現場調査部門
・現場技術・管理部門
答案用紙
・現場調査部門(マークシート /記述式 )
・現場技術・管理部門(マークシート /記述式:必須 ・選択 )
令和4年度
・受験手引き
・解答
試験問題
・現場調査部門
・現場技術・管理部門
令和3年度
・受験手引き
・解答
試験問題
・現場調査部門
・現場技術・管理部門
・土壌地下水汚染部門
令和2年度
令和2年度はすべての検定試験を中止いたしました。
令和1年度
・受験手引き
・解答
試験問題
・現場調査部門
・現場技術・管理部門
・土壌地下水汚染部門
平成30年度
・受験手引き
・解答
試験問題
・現場調査部門
・現場技術・管理部門
・土壌地下水汚染部門
平成29年度
・受験手引き
・解答
試験問題
・現場調査部門
・現場技術・管理部門
・土壌地下水汚染部門
平成28年度
・受験手引き
・解答
試験問題
・現場調査部門
・現場技術・管理部門
・土壌地下水汚染部門
※解答は、マークシート問題の解答のみを掲載しております。なお、記述式問題の解答(模範解答)については、将来実施する試験の解答内容を誘導してしまう可能性があるため、掲載を控えております。※試験問題の内容に関するご質問は受け付けておりません。あらかじめご了承の上、ご利用ください。
※参考:過去の実績に基づく合格に必要な得点率の目安(合格を約束するものではありません):現場調査部門(60%台半ば~)、その他の部門(70%前後~)
登録更新
登録更新手続き
地質調査技士資格所有者は、取得日から5年毎に登録更新手続きが必要です。(お手元の携帯用登録証に有効期限が記載されております。)
以下実施スケジュールの目安などをご確認ください。
更新期間:資格取得日から5年毎
更新方法:講習会の受講形式、または、継続教育記録CPDの報告形式(5年間で125CPD以上、
または175CPD以上 *現在はコロナウイルス感染状況を鑑みて必要単位数を変更)
更新申込:9月中旬〜10月上旬(CPD報告形式は12月上旬まで受付)
講習会場:全国12会場
受講期間:11月〜1月頃(講習会場ごとに設定した1日間で受講していただきます)
登録更新の申込みに関する詳細や次回実施予定
こちらからご確認ください。
登録証の変更届・再発行
○登録住所等の変更手続きについて
資格登録内容(氏名、現住所、所属機関名)に変更が生じた場合は、「変更届・再発行申請書」の所定の欄に必要事項を記入し、ご提出ください。現住所及び所属機関名変更のための手数料は不要です。
○登録証の紛失または氏名変更による再発行について
登録証の紛失等により再発行をご希望の場合は、「変更届・再発行申請書」の所定の欄に必要事項を記入し、ご提出ください。
婚姻等による①氏名変更の場合は、戸籍抄本の提出が必要です②旧姓併記の場合は、旧姓が併記された住民票の提出が必要です。なお、再発行には手数料が必要となります。
※地質情報管理士、応用地形判読士、地質リスクエンジニアの登録証を再発行致します。地質調査技士はカードタイプの携帯用登録証を再発行致します。何れも、検定試験合格後に発行する合格証は再発行いたしません。
○資格登録証明書の発行について
この証明書は、資格登録が現時点で有効であることを証明する書類です。携帯用登録証でも資格登録の有効性は確認できますが、発注機関などからの要請により、携帯用登録証の写しとは別に、証明書が必要となる場合、証明書を発行いたします。
ご希望の方は、「変更届・再発行申請書」の所定の欄に必要事項を記入し、ご提出ください。なお、証明書発行は手数料が必要となります。
○入力フォーム付き申請書(PDF)
資格登録内容(氏名、現住所、所属機関名)に変更が生じた場合、資格登録証明書の発行を希望される場合は、「変更届・再発行申請書」の所定の欄に必要事項を記入し、FAXまたはメールにてご提出ください。
なお、氏名変更・旧姓併記の場合は、前述の通り、戸籍抄本・住民票をそれぞれ提出していただきます。
※申請のための様式は、以下の「変更届・再発行申請書」よりダウンロードしてください。
※お使いのPC環境によっては、PDFを開くのに時間がかかる場合があります。最新版のAcrobatReaderでダウンロードして頂くことをお奨めします。